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さぶこんシャス

土曜の夜にひそひそと貪り、あとは眠るだけ。

復刊『ゴング』は、プロレスに何を残して成功と呼べるのか?

雑誌・書籍 プロレス ニュース

ゴング (タウンムック)

と、おじさんは思うわけです。

 


来年1月から『ゴング』定期刊行決定!|金沢克彦オフィシャルブログ「プロレス留年生 ときめいたら不整脈!?」Powered by Ameba

 

9月9日(火)に発売され、大反響となった『ゴング』。ついに2015年1月からの正式「定期刊行」が発表されるなど、順風満帆といった雰囲気である。さぶこんさんももちろん買ったし、内容も近年のプロレス誌にはないボリュームだったと思います。

 

実際面白かったし、長く手元に置いて何度も読み直しました。周囲の、かつてゴングを読んでいた人にも教えたりしました。「ゴング復刊したんだよ!面白いから買ったほうがいいよ!」

 

しかし、私が真っ先に感じたのが、「はたして、これは『ゴング』だろうか?」だったのも事実です。

 

■売れればよかったのか。

いきなり辛辣なことを書きます。はっきり言って、内容には満足していません。

 

横組みの理由は「プロレス会場のパンフレットにあわせた」ということですが、明らかに『KAMINOGE』との差別化を狙ったなと感じました。

 

人気ファッション誌が「今、プロレスが熱い!」とでも謳ったかのような体裁で、インタビュー以外の内容は企画ものがほとんど。「人・生き様」を伝えるためにインタビューが大多数を占めるのは、もちろんボリューム感で満足しましたが、これも『KAMINOGE』と酷似。

 

少なくとも『週刊ゴング』ではないと感じてしまったのです。もちろん、『週刊ゴング』を復活させるつもりではなかったことはわかります。言うならば、「現代のプロレス界の面白いところを、ちゃんと余すことなく紹介します!」って感じでしょうか。

 

私がこんな感想を持ったのは、同時期に、素晴らしく『週刊ゴング』な媒体があったことも起因しています。

デビュー30周年記念 『“破壊王

デビュー30周年記念 『“破壊王"橋本真也 ゼロワン激闘録』 FIGHTING TV サムライ×Gスピリッツ DVD BOOK vol.1 (タツミムック)

コレがもう、ゲップが出るほど『週刊ゴング』だった。元週刊ゴングの残党『Gスピリッツ』が、元編集長のGK金澤氏と小佐野氏を使ったわけですから、それはもううっとうしいほど週刊ゴングなわけです。内容も濃厚で、踏み込んでいて、読んでいるだけでいろんなものが蘇ってきました。こちらも素晴らしい本。

 

これがあっただけに、復刊『ゴング』の“幕の内弁当”感を強く嫌悪してしまったのかもしれません。

 

それにしたって、ペールワンズに、ターザン山本に、週プロと別れたばかりのフミサイトー。それだけじゃないですが、企画のラインアップは目を疑うものばかり。まるで現代マスコミ版の「プロレスの架け橋」。それを『ゴング』がやったのだから、皮肉なことです。これは言い過ぎだとわかっていますが、あえての表現です。

 

好意的に言えば「ALL TOGETHER」。もう一回、もう一回。定期復刊を狙うわけですから、G1の時期に0号、東京ドームの時期に1号というのは全く間違っていないわけです。それにしたって、多くの人が手に取れば、何でもよかったのでしょうか?

 

■復刊が最終目標ではない、そうだろう。

問題は、今後の『ゴング』の立ち位置です。これについて、さらに0号がこのような形になった理由も「三者三様」でも語られています。それでも、腑に落ちません。

 

確かに、今のプロレスマスコミは風前の灯火です。ブームに押し上げられて部数を伸ばしている『週刊プロレス』は、お世辞にもいい本だとは言えません。私のように毎週買っていても、決まってガッカリする誌面ばかり。ありきたりの特集、連載。前述の『ゴング』復刊の時とは異なり、他の人に「週プロ買ったほうがいいよ!」とは言えないレベルです。

 

それでも、買うだけの価値があります。それは「週刊誌」であり、「専門誌」であり、ネット社会であろうと、情報として非常に有用だからです。

 

また、『KAMINOGE』はプロレスを面白く見るための「スパイス」であって、王道ではないです。あと、テーマによってあたりはずれがありすぎる(それもエンターテイメント誌としてアリだと思っています)。もう一つの定期雑誌『Gスピリッツ』は内容は一級品だと思いますが、コンセプト的に「現在進行形のプロレス」を扱うことはありません。

 

そう考えると、『ゴング』の存在価値は大いにあるように感じます。たとえ月刊・隔月刊であろうとも、やはり『週刊プロレス』に並び立つ王道の、現在進行形のプロレスを、他誌にはできない企画力で伝える雑誌であってほしい。

 

そんな期待は0号で見事に打ち砕かれてしまった。「三者三様」では、これからも試合ではなく、「人」「生き様」を追って行くという。

 

本当にそれでいいの? 0号であれだけ各団体の主人公を取り上げて、1号に残っているのはなに? その先の号になにが“残っている”? 

 

解せないのは、『THE BIG FIGHT』も同じ。今のままでは、『バトルニュース』と何ら変わらない(バトニューにスポーツナビ格闘技をプラスした感じ)。そんなバトルニュースは、いま経営危機に苦しんでいるわけです。で、THE BIG FIGHTは何がしたいのか?

 

『ゴング』が週プロに立ち向かわなければいけないのは、宿命。だけど、それは敷かれたレールの上じゃない。ゴングの名の下に何が行われてもいいわけじゃない。復刊したから、プロレス出版界に元気な風が吹いたから、週プロの部数を奪って、上回ったら、はたしてそれが成功なのでしょうか。

 

■第1号目にすべてがかかっている。

もう一回、もう一回。そういってALL TOGETHERは2回で幕を閉じました。

 

週プロとも、KAMINOGEとも、Gスピとも違う。バトルニュースやスポーツナビ、THE BIG FIGHTでは追えないこと。

 

これが定期刊行1号目で見られることを切に願っています。

 

『ゴング』への期待が大きすぎることはわかっています。でも、それ以上にゴングのなかった10年で最も辛い日々を味わい、我慢し、耐え、生きながらえさせたのはファンであり、既存誌であり、そしてプロレスラーあることは忘れないでいてほしい。

 

ブームだから復活できたのではなく、「『ゴング』に成すべきことがあったから帰ってきたのだ」。そうあってほしいのです。

 

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