さぶこんシャス

土曜の夜にひそひそと貪り、あとは眠るだけ。

バスケワールドカップ2019 日本対トルコ 所感

今年からは好きなことをもっと好きに書こうと思うので。

 

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画像はDAZNのトップ画面。間違いなくシビアな3試合になるとわかっていたので、日本偏重実況解説になりそうなBSを避けて、DAZNを契約しました。いや、日本戦以外も見るからなんですけど。アメリカはもちろん、セルビアとギリシャ、オーストラリアとか。ベンシモンズが出てたらもっと楽しみだったのに…。

 

肝心の試合内容。

 

日本バスケのネックはインサイドだとイメージ先行で言われてきたことの間違い。スピードやメンタリティ、ディフェンス、戦術などでは負けていない、自分たちのバスケができれば、などと風潮されてきたし、選手も語っていたが。そもそもそこは、まさに日本が劣っている部分。逆だろ逆。

 

むしろシュートはアルゼンチン戦ドイツ戦に負けじと当たっており、もっと武器にしていかないといけない。打たないまでも、狙わないと。打つためには、リムにアタックしていかないと。まさにトルコが前半から撤退してやってきたこと。見本になりますね。

 

たびたび指摘されているようなので、ゲームの入り方の拙攻については省略。

 

トルコは、というかアジア予選でも多くのチームが1Qから高いインテンシティで入ってきたと思う。いつまでたっても自分たちのスローなバスケ。20点差、残り数分で16点差あっても20秒以上必ず使い切るオフェンス。いつも八村を探すガードフォワード。ファジーカスだけが自分の仕事を理解して徹底していた。たしかにあのディフェンスは問題だったが…。

 

またガードの実力差を、これでもかと見せつけられた。スクリーンもなしに簡単に振り切られる。速攻でも追いきれない。セーフティも機能せず何度タッチダウンパスを許したか。富樫勇樹がいればと何度も願ったが、残念ながら富樫が昨晩の最適解かと言われれば、それも悩むところ。

 

個人的には、試合最後のメンバー、田中大貴、馬場雄大、渡邊雄太、八村塁、ニックファジーカスがベストだと思う。ラマスHCも得点力の部分で次戦に向けて試したかったのではないか。ボールは馬場にもたせたい。筑波大ではもともと、世界に出るならガードを目指す将来像を描いていた男。ボールも人も動く、ゴールにアタックする、ミスは三倍増するでしょうが。外の選択肢においても、馬場以外の4人が高い確率で狙えるのは大きい。

 

日本は、まずワールドカップで戦うこと自体がギャンブル。アジアで戦うメンバーや戦術が最善とは限らない。NBAでも近年は、ベストメンバーよりも対応力を考えたラインアップが、プレーオフ以降では多くなる傾向。ガードに馬場田中、ポイントガード比江島など、もう少しよそ行きの試合をしていかないと、まさかは起きない。

 

また、シュート以外で日本が武器にすべきポイントは、スタミナだと思う。40分ゲームを制するために、前述のように1Qから仕掛けてくるチームは非常に多い。日本もそこを目指すべきだが、あれだけ離されながら、ペースダウンしたとはいえ、よく10点差前後まで何度も戻したと思うもの。アルゼンチン、ドイツでもその戦いは見せたし、予選で勝利した日本でのオーストラリア戦がまさにそれ。ハイペースに飲まれず、後半から上げていけるのは強い。

 

しかし、オフェンスが酷い。ディフェンスも酷いが、比較しようがない。高校バスケを見ているようだった。何度失敗しても、決まったルールに沿ってオフェンスが始まっていた。流れを掴むプレーを生み出そうともしていなかった。戦術で欧州に10年劣っているのではと考えさせられましたね。速攻のチャンスでベンチを見ながらスローダウン、ミスを恐れてアタックしないガード、20秒使って八村の1on1が決まらず、セットの供給先がバレバレなのでもらうこともできないニック。もうBリーグはオフェンス20秒ルールやイリーガルディフェンスバイオレーションを採用するなど、個人の意識改革をしていかないといけないのでは?エース頼みの古いバスケに見えましたね。

 

なんにせよ、頭をシンプルにして結果を見直したい。親善試合の結果など忘れた方がいい、NBAに大量に主力を送り出すオーストラリアの予選チームは別物だし、ついには親善試合で、実際アメリカに勝ったりしている。そんな中、自力でここまで帰ってこられた。2006からは驚くべき進化で、バスケ自体、アメリカと世界の差は大きく縮まっており、ただ日本が追いついたわけではなく、現代バスケの潮流の中で、ここまで波に乗ってこれたことは素晴らしい進化。

 

トルコは強豪ひしめく欧州を勝ち抜いた強豪で、たしかに力の差はあったが、勝ちを見据えた課題が見えるほどまでは近づいている。グループ突破は難しくなったかもしれないが、このグループの幸いはアメリカがいて、確実に全チームが一敗以上するということ。やるべきこともシンプルになった。

 

その中で一勝、善戦することは、日本バスケにとって捨てたものではない。トルコ戦はそんな絶望の中の希望が見つかった試合だった。日本はいつか、戦える。間違いなく。いまじゃなくても、2020じゃなくても。